日本のITの覚醒に向けて
40年現場の一線で仕事を来ていて、失われた30年が良く分かるだけではなく、さらにこのままでは酷くなるという感じを受けている。
この流れを少しでも変えたいと事業を立ち上げたのだが、残念ながら危機意識すら共有できない。
現場から見て失われた30年を振り返ると
- 現場で仕事のスキルを磨くよりも人を使う管理の仕事を思考する
- 理科系、技術者よりも文科系、営業系への人材が重要視される
- 成果主義の誤った運用により、社内で成果を取り合う内部政治が横行している
- 上司の権威が強くなり忖度が横行している
- 長期的な仕事、リスクのある仕事は避けるようになった
- 情報セキュリティ、個人情報の名のもとに組織が閉鎖的になっている
バブル崩壊で日本企業の改革が叫ばれて、欧米系のやり方を導入してきているが、根本思想を持ってこないで手段だけを移入してくるので、経営者に都合の良い部分を持ってきたので、日本の強みであったオープンでボトムアップの意思決定をなくし組織内部の政治しか分からない経営者に権威を集中してしまった。
煙たいものを排除し、忖度して、見栄えの良い数字を並べる人間が組織の中枢にいるように感じている。DXに必須のAIなどの理系頭脳、グローバルで多様な人材、オープンな外部連携などは
このままではありえない。
さらにIT業界の特殊性として、ドメスティックで官需主体でのビジネスなので金融関係と同じように国際競争力が極端に低いままでビジネスを行ってきている。ユーザー企業は、官に右へ倣えでやりたいことをいうだけで大手SIerへ仕事を丸投げしSIerは多重下請け構造を構築して手を動かさずに利ザヤを稼ぐ。
これまでの社内内部システム構築であればこれでも渡りきれたかもしれないが、ビジネスの最前線でグローバルで戦う武器としてDXを構築するのであれば全く相手にならない。
時代はハードではなく、ソフトで、モノではなく、͡ことで差別化する時代になっているが、気付いていない。携帯通話料金の値下げ、デジタル庁の創設を言っている菅首相に期待していたが、忖度文化
を安部さんから引き継いでさらに強化させるのでは本末転倒である。
40年前の日本が強かったのは、現場を役職はおろかお客様、ベンダーなど企業組織を超えてフラットで力を合わせて欧米の技術を盗み、そして超えるような努力をしてきたことによる。現場以外の経営者及びスタッフはそうした第一線の仕事へのリスペクトがあり、率先して支える風土が自然にあった。現場は人を育て、本当のリーダーが育っていました。
こうした風土を再構築するにはどうしたらよいかを考えていきたい。